航空宇宙技術研究所(英:National Aerospace Laboratory of Japan)とは、大日本帝国において先進的航空技術研究、及び液体燃料ロケットの開発を行う組織。1946年に東京帝国大学航空研究所を基幹として陸軍航空技術研究所、海軍航空技術廠を統合した帝立航空技術研究所がその前身である。略称はNAL航技研。「宇宙研」こと宇宙科学研究所と並び立つ日本宇宙開発の二大巨頭である。
 

概要

帝国陸海軍の航空機は、その多くが三菱重工業や中島飛行機などの主要な航空機メーカーに発注をして競合試作を行うことによって採用されていった。しかし1930年代からの航空技術の発展は目覚ましいものであり、民間企業に頼っていては世界の潮流に乗り遅れる可能性が出てきた。これに危機感を覚えた陸海両軍と政府により、各種航空技術を研究する機関が設立されることとなる。まず政府が主導して設立したのが東京帝国大学航空研究所(通称:航研)である。これは組織としては1918年に立ち上げられたものであるが、1930年代に入って大幅に予算の拡充がなされ、高速試験機や航続距離試験機などを次々と開発していくこととなる。続いて設立されたのが海軍航空技術廠(通称:空技廠)である。当時の海軍航空本部長・山本五十六の肝煎りで設立されたもので、当時実験航空隊として存在した横須賀海軍航空隊(横空)を改編する形であった。横須賀海軍航空隊は海軍で最初に設立された航空隊で通称「八幡部隊」と愛称づけられ、その後の世界大戦で本土に来襲したドイツ海軍航空隊をその戦闘飛行隊で撃退するなど実戦部隊としても確かな腕を持つ部隊であった。最後に設立されたのが陸軍航空技術本部である。立川に本部を置いたこの研究所は「戦略偵察機」というジャンルの魁となった九七式司令部偵察機など数々の画期的な軍用機を開発する傍ら、「研三」ことキ78など航研と協同して実験機を開発するなどの研究活動をおこなっていた。
そのような中、1940年代を迎えて世界はレシプロエンジンからジェットエンジンの時代へと突入する。日本では後に宇宙研を設立する糸川英夫によって開発された初歩的なターボジェットエンジンを基に陸海共同のジェットエンジン開発を進めていくことになった。こうして開発されたのが五式高速戦闘爆撃機(陸軍名:重爆撃機「火龍」、海軍名:特殊攻撃機「橘花」)である。最高速度800km/hに達する本機は既存のあらゆる戦闘機の高速性能を凌駕し、戦闘機・爆撃機・攻撃機・偵察機など1940年代後期の帝国陸海軍で幅広く用いられることとなった。この結果を踏まえ、陸海軍の航空技術研究者は陸海のみならず航研なども統合して今後も共同開発を行った方がいいという結論に達する。こうして航研・空技廠・陸軍航技本が統合されて設立されたのが帝立航空技術研究所であった。本部は陸軍の調布飛行場を転用することとなり、横空や陸軍実験航空隊をはじめとした隷下実戦部隊もここに移動した。
統合され発足した新生航技研は、五式高速戦闘爆撃機に使用されたターボジェットエンジン「ネ20」を更に発展させた「旭光」などのジェット戦闘機に使用されるターボジェットエンジンの開発を行う一方でロケット戦闘機「秋水」や極初期の地対空ミサイル「奮龍」に使用するロケットエンジンの開発を行っていた。折しも欧州はドイツで弾道ミサイルの嚆矢であるV2ロケットが開発されているところであり、日本もこれを見習って液体燃料ロケットを用いた対地誘導弾の開発を行うこととなった。「秋水」に使用されていたロケットエンジンは燃料に水メタノール、酸化剤に過酸化水素を使用するものであったが、このままではすぐに出力不足に直面した。そこで、新たにヒドラジンを燃料として採用したところ、遙かに良好な比推力が得られた。こうして開発されたのが帝国陸軍初の弾道ミサイル、一四式短距離弾道弾?である。これを魁として航技研の弾道ミサイル開発は更に加速していく。
弾道ミサイルがある程度発達すると、今度は宇宙への進出が取り沙汰された。ミサイル開発が進んだことで1956年、航技研は略称をそのままに現在の名称である航空宇宙技術研究所に変更した。それは単なる名称の変更にとどまらず、日本が宇宙開発において世界の先陣を切るという意思のあらわれでもあった。1956年には一六式中距離弾道弾?が開発され、その射程は1,000kmを超えた。これを転用することによって1961年に初の人工衛星「きく1号」が低軌道に打ち上げられた。また、射程の問題を新規のエンジン開発と並行してロケットをクラスター化することで解決し、1964年には射程7,000kmに達する二四式長距離弾道弾?の配備が開始された。これの転用によって1966年には低軌道上への有人衛星投入に成功し、人体の宇宙空間における挙動など貴重なデータを残すことになった。
 

保有施設

調布キャンパス(調布技術研究所)

航技研の主力航空研究施設である。最寄りは国鉄中央線の三鷹駅、または京王電鉄本線の調布駅。施設内には低速・亜音速・遷音速・超音速・極超音速の各種風洞が設置され、飛行特性などの研究を行っている。近隣には蕎麦が有名な天台宗の別格本山である深大寺があり、このことから深大寺と俗称されることもある。研究所には調布飛行場が併設され、試験機の飛行に使用される。調布飛行場は政府系の航空企業である日本航空の離島路線などが乗り入れているが、主にはこの研究飛行のために用いられている。しかし、極超音速機の試験飛行などは周囲に騒音公害をもたらすなどの問題があり、研究施設の移転が検討されている。

筑波キャンパス

主に宇宙開発に関する研究を行う。エンジンの燃焼試験や風洞実験なども行われるが、その目玉は無重力状態再現施設や宇宙飛行士養成棟などの有人宇宙飛行関連の施設である。耐G訓練や密室訓練など様々な状態における試験を行い、宇宙飛行士の適性を持つ人間を抽出するための施設であり、日本においては唯一のものである。これ以外にも有人無人を問わず衛星の管制を行う施設を有しており、その管制の為に大直径のパラボラアンテナが設置されている。また屋外にはLE-1エンジンなどが露天展示されており、見学が可能である。

種子島宇宙センター

陸軍の中種子飛行場に併設されている、液体燃料ロケットの発射を主に行う施設である。施設内には吉信第一射点、吉信第二射点、大崎射点、竹崎射点の4つの射点があり、そのすべてが大型ロケット/ミサイルの発射に対応している。隣接する中種子飛行場に設けられているミサイルサイロ3つ、陸上射点3つと合わせると合計10個の大型ロケット/ミサイル用発射場を有し、世界最大の宇宙港(スペース・ポート)と評される。種子島は一年を通じて雷が多いことから射点には各2つの避雷針が設けられている。
 

開発

航空機

ロケット・ミサイル

  • 一四式短距離弾道弾?
  • 一六式中距離弾道弾?
  • 一九式中距離弾道弾?
  • 二三式短距離弾道弾?
  • ニ四式長距離弾道弾?
  • 二六式大陸間弾道弾?

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