FB-10Aは開発当時の全ての技術を投入して製造された、大西洋連合国の技術の粋と呼べる兵器である。特に、アビオニクス関連の技術は非常に高い水準となっている。
対地捜索レーダーとしては、Kuバンドを使用するブレーナアレイアンテナレーダーを搭載する。これは移動目標追跡、空対地ミサイルへの指令誘導、ペンシルビームによる洋上捜索、無誘導爆弾のための弾着点連続計算と投下点連続計算、合成開口によるマッピングという6つの動作モードを備える先進的なレーダーであり、これによって非常に優れた対地攻撃能力を有している。洋上捜索モードの最大探知距離はおよそ30海里とされている。パルスドップラーとモノパルスによりクラッター除去が可能であるため、地上目標や洋上目標の捜索が得意である。
地形追従レーダーはこれとは別に装備されており、こちらもKuバンドを使用する。これをオートパイロットと組み合わせることによって、自動で地形に沿って飛行することが可能である。飛行高度と地形追従の精度は事前にパイロットが変更することができる。
通常戦における任務では、爆弾倉にFLIR、レーザー測距・追跡指示装置を統合した大型の照準ポッドを搭載する。この照準ポッドは「フレイム・アイ」と呼ばれる。FLIRは開発当時最高峰の画像安定化技術を用いたことで非常に高解像度で、兵装担当士官は通常の戦闘機に搭載される小型の照準ポッドと比較して2倍も離れた距離から戦車大の目標を識別でき、さらに画像を撮影して画像偵察任務に従事したり、パイロット座席のディスプレイに映像を表示して夜間のパイロットの状況認識能力を向上させ、航法支援を行ったりすることが可能である。加えて、レーザー測距・追跡指示装置は10km離れた目標に対して強力なルビーレーザーを照射することができ、これによりセミアクティブレーザー誘導のミサイルの使用が可能となっている。
(「フレイム・アイ」、直訳すると「炎の目」)
この他、レーダー警報受信機、チャフフレアディスペンサー、ECMシステムを統合した自己防御システムを備え、これによって敵地対空ミサイルから逃れることができる。
FB-10では、後退翼を採用するにあたり、コントロール増強システムを採用している。これにより、可変翼機で弱点とされていた、後退翼角度の変化による飛行特性の変化を最小に抑え、パイロットによる操縦を容易としている。コントロール増強システムの採用は、大西洋連合国空軍で初めてである。