1961年から始められた新型艦載機の開発において、大航続距離と格闘性能を以て制空戦闘を戦う
「雷光」に対して高高度邀撃と一撃離脱戦法を主とする双発の重戦闘機として開発されたのが本機である。設計主任は中島飛行機。当初は陸上専用の局地戦闘機として開発されたために、その設計番号は夜間戦闘機「月光」、局地戦闘機「雷電」、陸上制空戦闘機「陣風」、局地戦闘機「震電」に続く陸上戦闘機符号である
J5Nが割り当てられた。これを基にして艦載機仕様としたのが
J5N2-Aすなわち閃電二一型と呼ばれる基本量産型である。本機の設計に際してはまず第一に航続性能よりも上昇性能や高速域での機動性能が重視されたことから、大出力のターボジェットエンジンを双発で搭載すること、機動性を妥協してでも上昇性能と高速巡航性能を確保することなどが求められた。本機は海軍航空隊において、陸上基地に配備して防空を担う局地戦闘機として開発されたために量産性が重視されたことも特筆すべき点であろう。このことは、後になって陸軍に本機が採用される一因となる。