製造段階で精度が特に優秀であった三八式を選別し、九七式狙撃眼鏡(倍率2.5倍)と単脚(モノポッド)を装着できるようにして狙撃に特化させた三八式歩兵銃である。1個歩兵中隊に本銃を装備した射撃技量優秀な兵1名が中隊本部直轄として狙撃を行う。この兵は「選抜射手」と呼ばれ、連隊の射撃大会などで優秀な成績をおさめた兵に授与される「狙撃特技章」を持つ兵士が任命される。後継の
九五式自動小銃や
十年式自動小銃が制式採用されても、本銃による狙撃任務は続けられており、改修を施しつつ運用されている。まず1956年、狙撃用の単脚を二脚(バイポッド)に変更した2型が生産開始。続いて、1961年にはスコープの倍率を4倍に変更した二一式狙撃眼鏡が採用され、それまで1,500mであった有効射程を2,000mにまで延伸した。