チハの架空国家Wiki - 厳島型揚陸艦
厳島型揚陸艦
基本情報
艦種ドック型強襲揚陸艦
運用者大日本帝国連邦海軍
建造期間1951 - 1964
運用期間1953 - 現在
建造数8隻
前級あきつ丸型特種船
要目
水線長230.5m
水線幅29.5m
基準排水量25,500t
主機ロ号艦本式重油専焼水管缶6基
主軸艦本式オール・ギヤードタービン4基4軸
機関出力75,000馬力
速力28ノット
兵装71口径10cm単装高角砲×4
一八式中距離艦対空誘導弾×2
25mm三連装多銃身機銃×6
搭載機艦上戦闘機 16機
輸送ヘリコプター 6〜12機
厳島型揚陸艦は、大日本帝国連邦海軍の運用するドック型強襲揚陸艦。総数8隻が建造され、全艦が陸軍海兵旅団の部隊と一対一に対応している。
 

概要

1934年に就役した神州丸を筆頭として、航空運用能力を持つ上陸用舟艇母船である陸軍特種船は計4隻が建造され、また既存艦からの改造として「能登呂」「神威」の2艦が海軍揚陸艦として改修を受けた。これらは世界大戦などで実戦投入され、その上陸戦能力を遺憾なく発揮したが、一方で問題も露呈した。まず、最初期に建造・改修された「神州丸」以下の陸軍特種船2隻、海軍揚陸艦2隻は水上機運用能力しか持たなかったため、適切な航空支援を提供することができなかった。第二に、航空機動(エアボーン・ヘリボーン)を行える戦力が存在しなかったため、要地占領及び要点突破に使用する空挺戦を行うことができなかった。第三に、そもそもの設計として搭載能力の設計限界が旧式の八九式中戦車である大発・小発のみを搭載するようになっていたため、九七式中戦車を搭載する特大発動艇の運用能力が限定的だったことなどである。また、上陸時に大発の先頭にいる兵士は、敵の熾烈な機関銃迎撃によって死傷率が高いことなども挙げられた。こうしたことから積み上げた上陸戦のノウハウを生かした新戦術とリンクした新型揚陸艦の開発が推し進められることとなった。1947年に改訂された「帝国国防方針」では上陸戦に供用する海兵部隊を「其最低限ヲ四個師団トス」と記載され、これに基づいて海兵第1〜第8の各旅団が従来の海上機動旅団から改編・編成され、これとあわせてマル補計画で新型揚陸艦4隻の予算が通過した。また、既存の揚陸艦の老朽化が深刻化してきたことから、新海軍整備計画で追加4隻が建造された。これによって海兵旅団を積載する揚陸艦はすべて本艦級で統一されることになった。
 

仕様

船体設計

基本的に装甲や注排水構造の類はなく、商船構造である。これは本艦が前面戦闘を担当しないことの他にも、その艦内スペースをできるだけ広くとって搭載能力を増すという意味がある。ただし防水区画は存在し、被雷した際には防水扉を閉じることで応急的なダメージ・コントロールとする。水線長は230.5mであるが艦首はクリッパー式のバルバス・バウ(水線下)、エンクローズド・バウ(水線上)となっており、全長は244mである。上部構造物は左舷に寄せられた小型艦橋とその前後の艦対空ミサイル・ターレットのみであり、全通甲板を有している。その他の砲熕兵装や機銃などの武装はすべて両舷のスポンソンに搭載されている。従来は10cm単装高角砲と25mm三連装多銃身機銃の代わりに12.7cm連装高角砲と通常の25mm三連装機銃が設置されていたが、レーダーによる火器管制システムの導入に伴いこれらの兵装は交換された。艦内は8層の甲板に分かれており、このうち水線上にあるのは4つである。機関は通常の蒸気タービンを搭載し、出力は75,000馬力を発揮する。これは海兵遠征部隊として艦隊を編成するにあたり最低限必要な戦闘航海速力として算出された28ノットという速力を発揮するためのものであり、前級から8ノット以上の向上を見せている。機関は第5層から最下層甲板にかけて配置されている。

航空運用能力

全長244m、最大幅34.5mの全通飛行甲板を有する。エレベーターは甲板前部と後部に1基ずつ、長さ20mのデッキサイド式として設置されている。デッキサイド式の特徴としてその見かけ上の寸法以上の大きさの航空機を昇降することができ、運用の幅が広がるということが挙げられるが本艦級もその例に漏れずその寸法以上の輸送ヘリコプターを昇降させることができる。カタパルトは蒸気式のものが1基、甲板前部に配置されている。また飛行甲板上にはヘリコプターの発着ポイントが6つ設定されており、これによりヘリコプターの運用を行う。
格納庫は第1層の居住区画と兵装弾薬庫を除く部分に設置されており、その全長は220m、全幅は27mである。格納庫は大まかに前部区画と後部区画に分けられる。前部区画には艦上戦闘機「雷光」を12機格納し、昇降には前部エレベーターを使用する。後部区画には陸軍輸送ヘリコプター「高砂」?を6機と「雷光」を4機格納し、これらの昇降には後部エレベーターを使用する。格納庫に搭載できる航空機の定数は「雷光」16機、「高砂」6機であるが、「高砂」は飛行甲板の発着ポイントに露天係止することによって搭載機を6機増加させることができる。航空隊は任務によっては艦上戦闘機と対潜ヘリコプターの組み合わせで搭載することもできるようになっており、この場合は格納庫に計24機と露天係止として艦上戦闘機8機と対潜ヘリコプター「鷗」4機を搭載する。

輸送揚陸能力

第4層に200×28mの舟艇甲板(ウェル・ドック)が設置されている。舟艇甲板には特大発動艇乙型と呼ばれる小型の戦車揚陸艇を24隻格納し、甲板への注水によって氾水させてこれを発進させる。この特大発動艇乙型は、大発動艇を大型化したもので、その全長は30m、全幅は4.5mで、一五式軽戦車?を横並びで2輌、または一五式中戦車1輌を搭載しつつ歩兵を後方に最大150名搭載することができる。機関は空冷12気筒のガソリンエンジンを搭載し、出力800馬力で定格12ノットを発揮することができる。この構造は世界大戦における上陸戦の教訓として、先頭に立つ兵士が大発の渡り板が倒れた瞬間に機関銃の射撃を受けて戦死する事例が多発したことから兵士の一種の盾として戦車を配置することが戦術となったことから採用された。第3層には125×28mの車両甲板があり、船体前部にはここに積載した車両を昇降させるための大型エレベーターがある。ここには舟艇に積載する一五式軽戦車?48輌と特五式内火艇を改造した特五式十二糎自走迫撃砲を24輌、同じく特五式内火艇を改造した特五式砲戦車を16輌、そして余剰区画に3.5tトラックを最大36輌搭載することができる。通常部隊の輸送や部隊の災害派遣に用いる場合は3.5tトラックのみ140輌程度を搭載することができる。これら車輌類は両舷に設けられた車両出入口を通じて地上に揚陸することができる。
 

運用

1隻には2個海兵連隊、1個支援砲兵大隊、1個空中機動大隊より成る海兵1個旅団と、海軍航空隊の半個戦闘飛行隊(2個中隊16機)を収容できる。これ単体であっても戦力として機能するが、通常は2隻一組で1個海兵師団・1個戦闘飛行隊として運用を行う。揚陸艦2隻と巡洋戦艦2隻、大型軽巡洋艦4隻、二等駆逐艦16隻、原子力潜水艦2隻を以て1個海兵遠征艦隊を組成し、これらは揚陸艦の護衛と上陸に際しての艦砲支援射撃に任ずる。