FB-10
要目
全長22.5m
全幅9.8m(最小)
19.2m(最大)
全高5.2m
重量21600kg(空虚重量)
45000kg(最大戦闘重量)
速度最高マッハ2.5
乗員2名
固定武装25mm6砲身ガトリング砲
エンジン大出力ターボファンエンジン×2(アフターバーナー使用時推力111kN)

概要

FB-10は大西洋連合国空軍が運用する迎撃戦闘/戦闘爆撃機。初飛行は1964年で、大西洋連合国軍で初めて可変翼を採用した戦闘機である。従来それぞれ別の機体が担っていた対地攻撃任務と爆撃機迎撃任務を兼任可能な機体として開発され、高速性能、低空での安定性、強力なレーダー、高い武装搭載能力を兼ね備えている。

開発経緯

FB-10は「統合大型戦闘機」の名で開発が進められてきた。これは、従来空軍で運用されていた戦闘爆撃機、迎撃戦闘機を代替する戦闘機を共通の機体をベースに調達することでコストを抑える、という計画だった。この計画には海軍も興味を示した。この時期、大西洋連合国の仮想敵国は連合国海軍の空母部隊に対抗するためにスタンドオフ攻撃を目的とした大型の対艦攻撃機を多数製造しており、海軍はこれらへの対策として、迎撃戦闘機を進出させてミサイル発射前に迎撃することを考えていた。開発は海空軍で共同で進められ、試作初号機がジェネラル・ダイナミクスによって製造が行われた。
しかし迎撃戦闘機と戦闘爆撃機を兼任可能な機体となった本機は、結果として非常に大重量の機体となってしまった。加えて、試作初号機の飛行試験の結果、期待されていたほど可変翼による機動性向上が見込めないことがはっきりした。空軍は、敵爆撃機を大遠距離から撃墜するため機動性は必要なく、むしろ戦闘爆撃機運用を考慮して低空での飛行安定性を追求していたのに対し、海軍はある程度の艦載機部隊と連携した制空戦闘も考慮していたため、ここではっきりと開発方針に対立が現れた。海軍は試作初号機の試験結果に失望し、この計画をベースに、新たな艦載迎撃戦闘機を開発し始めた。その後空軍は独力でこの機体を管制させた。完成した本機は、ダウディング空軍長官の肝いりで、「戦闘(Fight)」「爆撃(Bomb)」のどちらも可能な機体として「FB-10」と名付けられた。

能力

機体・エンジン
本機の第一の特徴としては、超音速低空侵入と短距離離陸を両立するための可変翼設計にある。主翼は16度から72度までの範囲で無段階に後退させることができる。また後退角26度以上でフラップが使用できなくなり、さらに45度以上ではロール制御に使用するスポイラーの内側が、48度以上では外側がロックされる。これ以降、ロール制御は全て尾翼で行われることとなる。この飛行特性の変化を知らせるために、パイロットが後退角を変更する際に、最内側のパイロンが使用できなくなる54度と合わせて、26度、48度の角度で後退角を変化させるレバーが一度停止するようになっている。

(可変翼の変化の様子)

第二の特徴としては、コックピットの設計が挙げられる。広い視界を確保するために並列複座式コックピットを採用していることが挙げられる。この並列複座式コックピットは、超低空侵入時に敵の対空砲火を受ける可能性を考慮し、全周がチタン製の装甲板によって覆われている。この装甲は、全周で20mm徹甲弾の直撃からパイロットを保護でき、特に被弾の角度が高いと考えられた区画では30mm徹甲弾の直撃にも耐える。コックピット内部は比較的快適な環境が整えられており、人間工学的に優れた設計である。可変翼機の試験で事故が多発したため、FB-10では非常に先進的な脱出座席が装備されている。コクピットをそのまま飛ばすモジュール式脱出装置となっており、パイロットは外気にさらされないため超音速飛行中でも問題なく動作する。この脱出座席はいわゆるゼロ・ゼロ射出座席で、高度ゼロ、速度ゼロから射出されても、パイロットをパラシュートが展開して十分に減速して着陸可能な高度に射出することができる。座席下部にはセラミックとグラスファイバー繊維の衝撃吸収層があり、これによって着地時の衝撃からパイロットを保護する。

本機はプラット・アンド・ホイットニー社が製造した大出力ターボファンエンジンを2基搭載している。このエンジンはアフターバーナー使用時で111kNもの出力を発揮することができ、これによってFB-10は最大マッハ2.5での高速飛行が可能となる。長距離侵攻能力を要求された本機は、飛行性能が低下しない方式での増槽を求められ、これによって通常の懸下式増槽に加え、大西洋連合国空軍で初めてコンフォーマル・フューエル・タンクの搭載に対応している。通常状態の航続距離は5000kmだが、コンフォーマル・フューエル・タンクを装着した場合、航続距離は7500kmにまで増加する。

(搭載する大出力ターボファンエンジン)

FB-10A

FB-10Aは空軍の戦術航空軍団において戦闘爆撃機として運用されることを目的とした、戦闘爆撃機型である。B型と比較すると、地形追従レーダーによる超低空飛行能力、地上目標の捜索に特化した照準用レーダー、レーザー測距装置やレーザー目標追跡指示装置による精密攻撃能力、FLIRによる目標識別、画像偵察、夜間航法支援能力を有する代わりに、大型の強力な空対空レーダーと強力なIRSTによる遠距離捕捉能力を失っている。
兵装
FB-10Aは固定兵装として機体右側面に25mm6砲身ガトリング砲を備えている。従来の戦闘機が搭載する20mm口径のそれと比較して、格段に破壊力が増している。これは、本機が対地攻撃能力を重視されたためである。弾薬は最大1500発搭載可能で、徹甲焼夷弾と焼夷榴弾を組み合わせた弾薬ベルトを使用する。発射レートは毎分4500発と非常に高速で、ガス圧によるスピニングアップを行うため発射ボタンを押してから発射されるまでのタイムラグがほとんどなく、なおかつ単純で軽量な機関砲システムとなっている。

(25mm6砲身ガトリング砲)

ハードポイントは片方の主翼に4か所、左右合計で8か所設けられている。全てのハードポイントは、主翼の後退角の変化に合わせて自動で機体中心線と平行を保つことができる。ただし、最も内側のハードポイントに関しては、後退角54度でパイロンが胴体と接触してしまうため、それ以上翼を後退させる必要がある場合はパージしなければならない。

ハードポイントには、500ポンド、1000ポンド、2000ポンド、5000ポンドの各種通常爆弾の他、それらの爆弾の設計を基にした対人/対車両用クラスター爆弾、対戦車用クラスター爆弾、さらには「マスティフ」対地/対艦ミサイル?「マーヴェリック」空対地ミサイル?「ハウンド」対レーダーミサイル?「ネメシス」滑走路破壊爆弾?などの特別な兵器を装備することができた。

機体中心部には爆弾倉が用意されている。ここには、最大出力500ktの核爆弾を1発搭載することができる。核戦争時には、この爆弾のみを搭載して最大速度を発揮しつつ敵国に低空侵入し、核爆撃を行うことを想定している。通常戦においては、ここに後述する照準ポッドが装備されることとなる。
アビオニクス
FB-10Aは開発当時の全ての技術を投入して製造された、大西洋連合国の技術の粋と呼べる兵器である。特に、アビオニクス関連の技術は非常に高い水準となっている。

対地捜索レーダーとしては、Kuバンドを使用するブレーナアレイアンテナレーダーを搭載する。これは移動目標追跡、空対地ミサイルへの指令誘導、ペンシルビームによる洋上捜索、無誘導爆弾のための弾着点連続計算と投下点連続計算、合成開口によるマッピングという6つの動作モードを備える先進的なレーダーであり、これによって非常に優れた対地攻撃能力を有している。洋上捜索モードの最大探知距離はおよそ30海里とされている。パルスドップラーとモノパルスによりクラッター除去が可能であるため、地上目標や洋上目標の捜索が得意である。

地形追従レーダーはこれとは別に装備されており、こちらもKuバンドを使用する。これをオートパイロットと組み合わせることによって、自動で地形に沿って飛行することが可能である。飛行高度と地形追従の精度は事前にパイロットが変更することができる。

通常戦における任務では、爆弾倉にFLIR、レーザー測距・追跡指示装置を統合した大型の照準ポッドを搭載する。この照準ポッドは「フレイム・アイ」と呼ばれる。FLIRは開発当時最高峰の画像安定化技術を用いたことで非常に高解像度で、兵装担当士官は通常の戦闘機に搭載される小型の照準ポッドと比較して2倍も離れた距離から戦車大の目標を識別でき、さらに画像を撮影して画像偵察任務に従事したり、パイロット座席のディスプレイに映像を表示して夜間のパイロットの状況認識能力を向上させ、航法支援を行ったりすることが可能である。加えて、レーザー測距・追跡指示装置は10km離れた目標に対して強力なルビーレーザーを照射することができ、これによりセミアクティブレーザー誘導のミサイルの使用が可能となっている。

(「フレイム・アイ」、直訳すると「炎の目」)

この他、レーダー警報受信機、チャフフレアディスペンサー、ECMシステムを統合した自己防御システムを備え、これによって敵地対空ミサイルから逃れることができる。

FB-10では、後退翼を採用するにあたり、コントロール増強システムを採用している。これにより、可変翼機で弱点とされていた、後退翼角度の変化による飛行特性の変化を最小に抑え、パイロットによる操縦を容易としている。コントロール増強システムの採用は、大西洋連合国空軍で初めてである。

FB-10B

FB-10Bは空軍の航空宇宙防衛軍団によって迎撃戦闘機として運用されることを目的とした、迎撃戦闘機型である。B型と比較すると、地形追従レーダーによる超低空飛行能力、地上目標の捜索に特化した照準用レーダー、レーザー測距装置やレーザー目標追跡指示装置による精密攻撃能力、FLIRによる目標識別、画像偵察、夜間航法支援能力を失った代わりに、大型の強力な空対空レーダーと強力なIRSTによる遠距離捕捉能力を有している。
兵装
固定武装の25mm6砲身ガトリング砲は取り外されており、これが装備されていたスペースには、後述する強力な可視光TVカメラが装備されている。

通常、兵装としては「フェニックス」長距離空対空ミサイル?または「スパロー」中距離空対空ミサイル?を装備する。特に特徴的なのがフェニックス長距離空対空ミサイルで、これは最大およそ160kmもの射程を有し、後述する非常に強力なレーダーにより発見した目標に対して射撃され、指令誘導で中間誘導、アクティブレーダー誘導またはセミアクティブレーダー誘導と赤外線誘導で終末誘導される。機動性は高くないため、戦闘機のような目標に対しては回避されやすいが、爆撃機や早期警戒機のような目標に対しては非常に有効である。詳細は当該ページを参照。

(フェニックス長距離空対空ミサイル)
アビオニクス
B型では、空対空戦闘に特化したアビオニクスを有している。

対空捜索レーダーとして搭載される「ネプチューン」は直径1.4mの極めて巨大なレーダーであり、その出力は最大で600kWにも達する。これにより、敵の爆撃機のECM装置よりも大出力の電波を用いて強引にECMを無効化できる。パルスドップラー方式とモノパルス方式を組み合わせることでクラッターを除去でき、ルックダウンシュート能力を備えている点で先進的である。これにより、従来の戦闘機では難しかった、超低空目標の迎撃が可能となっている。レーダーの最大探知距離は200kmに達し、24の空中目標を同時追尾し、そのうち6の目標にフェニックス長距離空対空ミサイルを発射・指令誘導することが可能である。レーダーの演算は8ビットのコンピュータで行われる。

(巨大な「ネプチューン」レーダーを正面から見た写真)

これを補助するシステムが、A型の爆弾倉スペースに固定装備された強力なIRSTシステムと、機関砲スペースに固定装備された強力な可視光TVカメラシステムである。IRSTシステムは、アフターバーナーを使用している航空機であれば180km離れてても探知することができる。可視光TVカメラシステムは、大型爆撃機クラスの目標を100km先から発見することができる。これらのシステムとレーダーを組み合わせることで、大遠距離から敵機が探知可能となる。

この他、レーダー警報受信機、チャフフレアディスペンサー、ECMシステムを統合した自己防御システムを備え、これによって敵空対空ミサイルから逃れることができる。

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