閃電は、1966年に大日本帝国連邦海軍及び陸軍が採用した局地戦闘機(邀撃機)/艦上戦闘機。第3世代ジェット戦闘機に分類されるマルチロール機である。同時期に開発された制空戦闘機である雷光と異なり、陸海共同設計であることや量産を前提として開発されたことなど設計思想から袂を分かつ戦闘機となった。
 

概要

1961年から始められた新型艦載機の開発において、大航続距離と格闘性能を以て制空戦闘を戦う「雷光」に対して高高度邀撃と一撃離脱戦法を主とする双発の重戦闘機として開発されたのが本機である。設計主任は中島飛行機。当初は陸上専用の局地戦闘機として開発されたために、その設計番号は夜間戦闘機「月光」、局地戦闘機「雷電」、陸上制空戦闘機「陣風」、局地戦闘機「震電」に続く陸上戦闘機符号であるJ5Nが割り当てられた。これを基にして艦載機仕様としたのがJ5N2-Aすなわち閃電二一型と呼ばれる基本量産型である。本機の設計に際してはまず第一に航続性能よりも上昇性能や高速域での機動性能が重視されたことから、大出力のターボジェットエンジンを双発で搭載すること、機動性を妥協してでも上昇性能と高速巡航性能を確保することなどが求められた。本機は海軍航空隊において、陸上基地に配備して防空を担う局地戦闘機として開発されたために量産性が重視されたことも特筆すべき点であろう。このことは、後になって陸軍に本機が採用される一因となる。
 

設計

機体

高速性能を追求する為、無尾翼デルタ翼を採用している。しかし、そのままでは離着陸性能や低速域運動性能に著しい支障が生じるため、主翼前方に前方水平尾翼(一般的にカナードと呼ばれる)を追加したエンテ型の翼配置となった。帝国海軍の戦闘機としては、1940年代後半に採用され、「最後にして最良のレシプロ戦闘機」と呼ばれた局地戦闘機「震電」から約15年あけての再登用である。このカナードを追加し、またここに可変機構を追加することによって空戦能力は大きな向上を見せた。帝国海軍戦闘機の標準装備となりつつある自動空戦フラップとあわせて、局地戦闘機として開発されたにしては良好な運動性能を発揮する。カナードは中翼配置、主翼は低翼配置である。
本機は溶体化時効処理を行ったチタン合金のみを機体の材質に使用する。従来の航空機に使用されていた超々ジュラルミンを使用しないのは、本機がマッハ3付近にまで達する極超音速飛行を行うことが想定されたためであり、マッハ3の高速飛行に伴う機体の過熱に耐えうる材質のみが使用されている。また、「雷光」に使用される合金が3回の溶体化処理を行うのに対し本機は1回のみである。これには使用するチタン合金の違いが影響している。これによって重量当たりの強度は多少低下するが、生産性は向上するためこのような措置がなされた。
 

武装

固定武装は胴体下に備え付けられた6連装バルカン、一九式二十五粍機銃のみである。25mm機銃弾は機首付近に200発、カナード付け根付近に400発ずつ、後部座席下及び後ろに1200発を搭載可能であり、これによって合計2,200発を搭載することができる。特徴として、この機銃は可動式であり最大80度まで俯角が取れることが挙げられる。これにより高高度を巡航しつつ下を飛ぶ航空機に銃撃を浴びせることや、低速巡航をしつつ地上を掃射して対地支援を行うことなどができる。もっとも前者は命中精度が悪く(俯角を取ると照準器が意味をなさなくなり、勘に頼らざるを得ない)、使われることは皆無に近い。上級パイロットになると背面飛行をしつつ往時の夜間戦闘機「月光」の斜銃のような用法で敵機を下から銃撃することもできるが、本当に限られた状況でしか機能しない。ハードポイントは翼下に3か所、胴体下に1か所設置されている。ここには基本的に中長距離空対空ミサイルを搭載し、遠距離からの敵機攻撃を行う。その高速性能を活かして敵地を急襲、核攻撃を行うことも考慮されており、これに対応するために胴体下のハードポイントは最大3tを搭載できるよう設計されている。また翼下ハードポイントのうち最も胴体側のものは増槽の吊下を考慮して各最大1.2tの吊下能力を有している。その他の2か所は最大600kgまでが許容搭載量であり、理論上は7.8tの積載が可能である。
 

エンジン・燃料

エンジンには航技研の開発した「ネ70」ターボジェットエンジンを2基搭載する。その推力は平常運転時6,800kgf、アフターバーナーを使用すれば11,600kgfにまで達するものである。その高推力と高高度域での速度性能は特筆すべきものがあるが、難点は低空域での燃料消費が異常に多いことである。このため、本機は高度20,000m付近の高高度域を飛行すれば増槽なしで1,650kmを飛行できるが、低高度を飛行した場合はこれが1,360kmにまで落ち込む。燃料は5,500リットルを機内に搭載することができるが、この難点を補うため前述した翼下ハードポイント左右各1か所に増槽を1,500リットルずつ吊下可能である。これによって高高度巡航を行った場合の航続距離は2,560kmと比較的ましなものになる。アフターバーナーを使用した場合の最高速力は戦闘機として驚異的な3,300km/h(マッハ3.05)にまで達し、その高速性能は一部の高高度偵察機を除いて捕捉し確実に撃墜をすることができる。
 

アビオニクス

120kmの射程を有する長距離空対空ミサイルを誘導する為、大直径の二六式一号無線探信儀(通称261号電探)を搭載している。これにより、機首のレーダー・レドームは大型化し、胴体直径は双発機としては大きなものになった。言うまでもなく全天候戦闘能力を有する。PPIスコープの仕様、射爆照準器なども基本的には同時期に設計された「雷光」と同じものである。慣性航法装置や無線帰投装置を搭載こそしているが、基本的に母艦からそこまで離れて行動することはないため使われることはそこまでない。
 

諸元

  • 乗員  :1名
  • 全長  :20.05m
  • 全幅  :11.18m
  • 全高  :5.01m
  • 翼面積 :55.1m²
  • 自重  :19,285kg
  • 最大重量:32,335kg
  • 翼面荷重:350kg/m²
  • 動力  :航空宇宙技術研究所(航技研)「ネ70」ターボジェットエンジン(推力6,800kgf、超過推力11,600kgf)×2
  • 最大速力:3,330km/h(制限速力3,090km/h)
  • 巡航速力:960km/h
  • 航続距離:正規1,650km、増槽2,560km

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

国家群

東・東南アジア及び太平洋

南・西・中央アジア

北米

南米

歴史消滅国家群

各国の政府組織

行政府

各国の軍隊

空軍

各国の組織・企業等

ユーラシア連邦

神聖エイルシュタット公国

同盟群

地域同盟

広域同盟

解消した同盟

戦争

テロ組織一覧

コミンテルン加盟国

掲示板

メンバーのみ編集できます